発達障がいを持つ長男・とらちゃんとの日々のことを書いていく前に、簡単に今までのことを説明したいと思います。
とらちゃんが生まれたのは、2010年早春のこと。
ちょうどバンクーバー冬季オリンピックが開催されている頃のことでした。
実は、結婚前、障がいを持つ子どもたちと関わりを持つ仕事をしていた私。
生まれる前から多少の「予感」を感じていました。
発達障がい児の経過1 ~妊娠中から出産まで~
お腹の中にいたとらちゃん、不思議なことに数字の概念が分かっているようなのです。
こんな話をすると、たいてい「まさか!」という声が返ってきますが、WISCの心理検査でも、算数や数唱、語音整列といったワーキングメモリーが優に150を超えるとらちゃん。
その片鱗は胎児のときから十分に伝わってきていたのです。
胎動が感じられるようになってから、私は結婚4年目でやっと授かったお腹の赤ちゃんが愛おしく、いつもお腹に語りかけながら、とらちゃんのキックに軽いパンチで応えるようにしていました。
すると、妊娠8ヵ月を過ぎた頃のことでしょうか?
私の方から先にお腹をパンチすると、とらちゃんが中からその場所を蹴り返すようになったのです。
お腹の上の方を叩けば、上の方を蹴り返します。
下の方を突っつけば、今度は下の方をパンチしてくれます。
面白くなって一日中、お腹の中のとらちゃんと「キックゲーム」を楽しんだものでした。
でも、とらちゃんの「実力」はそれだけでは終わりません。
私が試しに3度お腹をパンチすると、中からまったく同じように3度蹴り返すことを覚え始めました。
最初は私も、「まさか!」と思い、「偶然だろう」と考えていましたが、何度やっても大成功。
身体も大きくなったせいか、ハッキリと胎動も伝わるようになり、最高、8~9回程度までなら、正確に蹴り返してくれるようになりました。
そう。
驚くことにとらちゃんは、生後マイナス2ヵ月にして、数の概念を手に入れていたのです!
普通なら、「これは天才児かも!」と驚くところですが、そこは前職で発達障がいを持つお子さんもたくさん見てきた私。
実は、とらちゃんの父親にもアスペルガー症候群の傾向があったため、「おそらく・・・」という「予感」を抱くこととなりました。
そんなキックゲームも堂に入るようになったころ、とらちゃんは初産にもかかわらず、入院からわずか1時間足らずというスピード出産で無事この世に生まれてきてくれました。
そしてまた、ここでも不思議なことが起こります。
お腹の中でも出生後につけると決めていた「とらちゃん」という名前で呼び続けていたためか、生まれたばかりの新生児なのに、「とらちゃん」と呼びかけると意識をこちらに集中するような動作を見せるのです。
「とらちゃん」、それが自分の名前だと生まれる前から認識していたのかもしれない。
のちにとらちゃんの担当となる相談支援専門員さんは、驚きながらもWISCの検査報告書を前に「ありえない話ではない」と頷いてくれました。
何だかこれだけ読んでいると、親バカ自慢話のように聞こえますね^^;
けれども、この抜群の記憶力が、この後のとらちゃんの人生において、「生きにくさ」の大きな原因となってしまうことになるのです。
今回は妊娠中と出産時のお話でした。
また続きは次回に・・・☆